本会は、「助産・母子保健事業の実施・普及及び助産師の資質向上のための事業」を公益目的事業としている。
定款3条では、都道府県助産師会との連携のもと、この事業を行っていくこととしている。第4条に8項目の事業を挙げている。
公益社団法人日本助産師会 定款
第4条 本会は、前条の目的を達成するため次の内容からなる事業を行う。
2 前項の事業は日本全国において行うものとする。前項第5号については、
諸外国での活動も行うもののとする。
助産師の技術・資質を維持・向上していくことは、専門職能団体としての重要な社会的責務である。
教育体系としては、専門職業人の責任として社会の求める能力を維持・向上させるための「継続教育」と、より専門性の高い知識・技術を習得し、資格認定を受けることを目的とする「専門教育」の2点を柱とする。
育児における母親の孤独感や不安感、長時間労働や残業の多い日本企業での子育てと仕事の両立の難しさ、女性の健康問題等、現在の出産・育児・女性を取り巻く健康環境は不安定なものとなっている。そのため、助産師は助産所、病院・診療所において地域母子保健の充実・子育て支援に携わり、助産所では妊娠・出産・育児期にある母子や家族に継続したケアを提供している。
これら相談・助言は、助産師の倫理指針に基づき、医療事故のない安全な医療及び女性の出産・育児・健康に対応している。また、本事業の対象者は、妊産婦・一般男女及び会員・非会員の助産師と広く設定している。
助産師を目指して助産学を学ぶ者のうち、学術優秀でありながら何らかの理由により学資の援助を要する者に奨学金の貸与を行う。
都道府県災害対策委員と連携し災害発生に向けて備えを行うことで、災害発生時の対応を迅速にし、妊産婦・女性の災害支援を充実させる。
助産事業に関わる最新知見、法改正等、保健関係研究・調査、指針、研修案内など非会員を含む助産師、保健関係機関・団体等に対して情報提供を行うため、「助産師」に情報提供をし、機関誌作成の支援を行う。なお、会員及び保健関係機関・団体分は本会が購入し、無料配布する。
助産師・助産所等の分娩施設からのアンケート、海外提携機関を通じての情報、その他資料によるデータ収集を行い、これらのデータによる調査・研究から今後の課題・問題点の把握とその解決方法を見出すことで、助産・母子保健事業の質の向上及び助産師の就労環境の改善を図る。
助産及び母子保健領域の活動の開発・展開を図るため、国際助産師連盟(ICM)・WHO・ホワイトリボンアライアンス等の国外関連機関との連携・交流を深め、情報の交換及び国際的な助産活動に貢献する。
日本助産師会が推進してきた「おぎゃー献金」を「すくすく赤ちゃん献金」と名称変更し、事業の拡充とさらなる発展を目指し推進している。毎年、本献金から母子施設・児童福祉施設等への必要とする物品を贈呈することで母子・児童への支援を行う。
日本助産師会が保有する建物の一部を貸室として提供している。また、会議室は当会未使用時には有償で貸与している。
助産行為に起因する、あるいは、助産所内で起きた事故に関して利用者に障害や損害が生じた場合に支払われる助産師賠償責任保険【分娩あり】、助産師賠償責任保険【分娩なし】、勤務助産師賠償責任保険の3種類について日本助産師会が団体保険として契約する。
日本助産師会が推薦するマタニティ商品の販売による販売手数料を得る。
母乳育児を行う母親へ、母乳哺育に関するケア(乳房ケア・授乳指導・相談等)を、また妊産褥婦を対象として、心身の疲労の回復、マイナートラブルの改善のためのボディケアを提供する。住民を対象とした、子育てに関する教室、講座を開催する。
収益事業で見込まれる収益は、日本助産師会が行う公益目的事業の費用として活用する。