公益社団法人日本助産師会
会長 髙田 昌代
会員皆様からの推挙により公益社団法人日本助産師会の会長に就任いたしました。私は、本会の前身の日本産婆会の初代会長 柘植あい姉(昭和2年)から数えて、12代目の会長にあたります。100年を間近に迎える歴史ある会の会長として光栄であると同時に、その重責を感じております。
本会は、昭和2年(1928年)の第1回大日本産婆会総会から、途中戦争も経ながらも、助産師が組織する専門職能団体として、先輩諸姉から脈々と受け継がれた歴史ある会です。その本会の運営を、理事・監事の方々、そして会員の皆様と「One Team(ワンチーム)」となり、強い結束力でその職責を全うしたいと思っています。
本会は創立以来、助産師独自の職能団体として、母子保健推進のため、全国の助産師の連携をはかり、助産師業務の水準を維持し、その改善・向上につとめてきました。正会員10,000名強となり、開業助産師数も増加しています。
社会はデジタル技術を用いたDX等の分野が大きく進むと思われます。しかし、この時代だからこそ、ヒューマニティ(人間らしさ)や人のつながりは人として生きる上での重要性が強調されていきます。妊娠・出産・育児や新しい家族の構築には「つながり」が基盤となります。そのため、安全かつ安心できる質の高い、あたたかなケアやサービスの提供のため、マタニティケアに関する業務の水準維持・向上を的確な分析をもって行っていきます。
助産師の独占業務である分娩介助、開業権を生かし、ケアを必要とする全ての女性やその家族に必要なケアが提供できるように、助産ケアの質保証ならびに助産所開業の推進に取り組みます。「全ての女性が輝く社会づくり」として女性の活躍推進も多くの取組がなされています。活躍推進は、女性が健康であることが基盤となります。助産師が、思春期から更年期・老年期までの女性の支援者として、一翼を担うことにも積極的に取り組んでいきます。
これらの実現のため、他の専門職とも協働して立法府・行政省庁に政策提言を積極的に行っていきます。母子保健の担当部局が、厚生労働省からこども家庭庁に移動となりましたので、子どもからの視点とともに「妊産婦」「養育者」としての視点を強調していく必要があると考えています。
変化の激しい時代にあっても、本会は、妊産婦をはじめとする女性たちの健康を常に考え、SRHR(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)、サスティナブルな実践、グローバルな視点にも着目していきます。また、本会の活動目的の推進のためには、助産ならびに産婦人科や小児科等をはじめとする関連団体に協力を得、連携をしていくことは必須です。そのため、本会会員、女性やその家族、社会に開かれた助産師会となるよう、俯瞰的にみる鳥の目、細部までみる虫の目、流れを読む魚の目をもって進めていく所存です。
会員の皆様からのご支援・ご協力を賜りますようお願いいたします。
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