公益社団法人日本助産師会
会長 中根 直子
本会は、昭和2年(1928年)の第1回大日本産婆会総会を機に設立され、戦後のベビーブームや家族計画を支えた先輩諸姉から受け継がれてきました。助産師が組織する専門職能団体として独自の役割を持って助産師の連携をはかり、助産業務の水準を維持し、その改善・向上につとめています。
時代は平成から令和へと移り、コロナ禍を経て社会の情勢や母子を取り巻く環境は大きく変化してきました。なかでも、予想を上回る出生数の低下は、助産師のみならず周産期医療全体に大きな影響を及ぼしています。多職種協働を基本とする周産期医療ネットワークの中で、女性が安心して出産できる環境を守るために、助産師が母子保健と医療、福祉までを結ぶ専門職として役割を強化し、発揮していくことが期待されています。
助産師を表す英語「Midwife」が「女性とともに」を意味するように、洋の東西を問わず助産師たちは妊娠、出産、育児という重大なライフイベントを迎える女性に寄り添い、力づけ、必要なときに人と人を結ぶことで支援してきました。現在は産後ケアのニーズの高まりとともに注目が集まっていますが、妊娠期から継続して専門職が重層的に見守る包括的な支援こそ、出産後の女性が子育てへ向かう力になります。国の保健医療体制が大きく変わろうとしているいま、助産師の視点からの政策提言をしていきたいと考えています。
現在、本会の正会員は10,000名を超え、若手の開業助産師数も増加の傾向にあります。会員の皆さまとともに、理事・監事の方々と強い結束をもって職責を全うしたいと思っています。
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